こどもキャンプに見る、地域の力
■地域住民がエコをテーマに、こどものキャンプを主催

暑さ本番の7月27日~30日、3泊4日でこどものキャンプのお手伝いに参加してきました。

自然豊かな郡上市では、子供たち向けのキャンプや夏の自然体験が各地で盛んです。公営や私営のキャンプ場も多く、また自然体験をプログラムする団体・企業も多い郡上、その中でも明宝はグリーン・ツーリズムの先進地にもなっています。

しかし今回参加した「子ども寺子屋エコキャンプin栃尾」は初の開催。
主催は地元の人々でつくる住民団体「ふるさと栃尾里山倶楽部」。
キャンプはもちろん初めて、の地元の方々。開催には郡上のプロの若者達、そして地元の方々が大勢協力していました。

<応援スタッフ>
・北村周さん(NPO法人 こうじびら山の家 代表
・興膳健太さん(NPO法人メタセコイアの森の仲間たち 代表
・木村聖子さん(地域おこし応援隊/めいほう鶏ちゃん研究会
・前西さん(岐阜森林づくりサポートセンター

・郡上高校ボランティアグループ WAT
・明宝教育事務所

<主催>
ふるさと栃尾里山倶楽部


<主なキャンプ内容>
1日目(7月27日)

ドラム缶風呂に入る


山の木を拾って火起こし


<夕食> 地域のお母さんの特製カレー

楽しい絵日記を描く~ミニマンガ教室
(ゲスト: 篠田英男(大垣女子短期大学 客員教授))
 



■  2日目(7月28日)

<朝食> 自炊

地域の子供と交流~読み聞かせと昔遊び

<昼食> 流しそうめん

スプーンづくり

<夕食> BBQ(自炊)


明宝温泉
 
■  3日目(7月29日)

<朝食> 自炊

川遊び~石投げや生き物探し

<昼食> 地域のお母さんのお弁当

動く絵日記づくり~クレイアニメ教室
(ゲスト: K-ITシティ・コンソーシアム)


<夕食> 地域のお母さんのちらし寿司

 明宝温泉/星空観察。


■  4日目(7月30日)

ピコ水力発電機の組み立て
(ゲスト: 駒宮博男(NPO法人地球の未来)/角野秀哉(角野製作所))



閉会式/クレイアニメ発表会


■地域キャンプでわかる「地域力」

このキャンプを通して、一番強く感じたことは「地域力」です。


今回のキャンプ・ディレクターは、今年から地域おこし応援隊としてふるさと栃尾里山倶楽部に職員として関わる安井さん。
キャンプ初主催の安井さんから、当日スタッフへ伝えられたこのキャンプのモットーは、

「できるだけ細かいことは決めない。しっかりとした準備はしない。備品も会場にできるだけ置かないで必要な時にだけ出し入れする。何か起きたら、その場で相談して解決していく」

というもの。これを実現するためには参加するスタッフと、サポートする地域の方々に瞬発的な対応力と、機材などの地域資材とその使いこなしが求められます。

 実際、次々に起こる課題に瞬時に考え、判断や、調達、設営をしていく地域の方々の力に、とても感心しました。これはまさに、いざというときに有効な「地域力」ではないか、思ったからです。



震災後、5月に宮城県気仙沼市にボランティアで行きました。その時に実感したことは、いざというときに本当に必要なのは「地域力」ではないか、ということです。

 気仙沼で避難所を運営されている方に開設の経緯やそれまでのお話を伺う中で、「いざ」というとき、人と物を集められ、ベース(活動拠点)をつくり、互いに運営することができる力を持っている地域が、本当に防災に強い地域なのではないか、と思いました。
 これからの「住みたい地域」を考える時に、防災への備えは大事だと考えている方は多いのではないでしょうか。
 ダムをつくり、堤防をどんなに高くしても、この地域力は地元の方々の普段の暮らしの深さが無ければ、構築されていかないものです。


○今回のエコキャンプ使用した機材は、ほとんどが地域にあるものです。
○また電気エネルギーに関しては源右衛門が独立電源を確保できます。
○水は山から引かれ、火は山から薪を調達することができます。
○そしてこれらを使いこなす人々がいます。


 更に、キャンプ運営を仕事としている人々も、地域にいます。
 キャンプは自然の中から材料を調達したり、野外で煮炊きを行うなど、まさに非常時のシミュレーションともいえるシチュエーションです。そして今回のスタッフ協力をした「こうじびら山の家」には、数多くのキャンプ道具が準備されています。


 今年3月の震災でいち早く現地入りし、ボランティアチームを立ち上げた「RQ市民災害支援センター」の代表の広瀬氏(日本エコツーリズム協会 代表)の言葉です。

「災害時には、地域の自然学校が災害拠点となる。備品があり、野外活動に普段から慣れ、キャンプなどで人を組織して動かすことができる人材がいる。」

自然学校がある地域が、これから貴重になっていくかもしれません。明宝もその一つです。


・・・起こってほしくはないが、「いざ」という時・・・

キャンプで垣間見た、明宝の「地域力」は、ここなら非常時に何ができ、どう支え合えるかを考え、そしてイメージできる貴重な経験になりました。

 「子ども寺子屋エコキャンプin栃尾」は、これから地域住民の中で、実際キャンプを実施してみて、の結果や今後についての検証が行われていくと思います。大変だけどやってみないとわからない、というのは、ふるさと栃尾里山倶楽部の活動の基盤にもなっています。

 いろいろなふりかえりが出てくると思いますが、今回得た貴重な体験、ネットワークが今後の元気な集落活動への一つの礎になることを願っています。


■栃尾と明宝で感じた「地域力」

<人の技術>
・支柱を立て、ブルーシートを貼った屋根づくり
・イベントテントのを貼る
・流しそうめんの竹の台をつくるときの、ロープワークや節取り


・古民家の床下の板と、農家の出荷箱を使ったベンチづくり

・火起こし
・薪割り

・山の見方、歩き方
・安全管理・指導/危険予測

<集落の機材>
・テント(大型、キャンプ用)
・ブルーシート
・布団レンタル
・食器
・大型の鍋と炊飯釜
・バケツ

・タオル
・机
・扇風機
・拡声器
・スクリーン、プロジェクター
・ナタ、ノコギリ
・車両(ハイエース、軽トラック)

<炊事>
・枝や木を拾い、薪を割り、焚きものを用意する。
・火起こし
・釜とかまどを使った炊飯
・山水を使った野菜の洗浄
・U字溝とトタン板を使ったバーベキューコンロの設営

・集落のお母さんに達による調理(炊き出し)

・近所の畑からの野菜の調達

・近所の家からの米の調達

<こうじびら山の家機材>
・ドラム缶風呂
・ライフジャケット
・浮き輪/チューブ
・川遊び道具(箱メガネ、タモ等)
・救急セット(ファーストエイド)

<施設>
・独立電源を持つ古民家「源右衛門」
・集会場所: 明宝コミュニティーセンター
・明宝温泉 湯星館

<自然の恵み>
・水
・木
・こどもの楽しみ(川、山、星空、昆虫、生き物)





■地域の人財育成


 私は40歳を過ぎて、初めて子どものキャンプにスタッフとして参加しました。
 それまでアウトドアなどの経験は無く、火をおこしての煮炊きやロープワーク、ライフジャケットを着用しての川遊びなど、全てが初めての体験。若いプロのスタッフの間で、こどもといっしょにキャンプでおこる様々な課題をこなします。

 そして心の成長過程にある子どもたちと、正面から向き合うときには、大人ではなく一人の人として彼らに接していきます。こどもの成長を願うキャンプの中で、実は自分が一番成長することを、キャンプの度に実感しました。
 キャンプには総合力が必要です。それはいざという時自分が何ができるか、個々の「生きる力」にも通じる部分が大きいのです。

 個人的には、こうしたキャンプを定期的に実施できることで、集落の地域力を確認し、また新しい「地域の人財」を育てられる場になるのではないか、という可能性を感じました。

 
 特に郡上市は、今回スタッフとなった「こうじびら山の家」や「メタセコイアの森の仲間たち」など、自然体験を行う団体が多いです。今回様々な団体が合同で行い、もしキャンプを通した人財育成ができるなら、郡上では様々なキャンプ・スタイルを学べる、非常に貴重なところになる可能性がある、とスタッフの間で話が弾みました。



 キャンプが終わり、ボランティアで参加してくれた地元の高校生たちの
「楽しかった、またやりたいです!」
という笑顔がとても印象的でした。

 この若者たちが笑顔で暮らし続けられる魅力ある地域、そんな未来の里山づくりがこれからも栃尾では続いていくのだ、と感じた3泊4日間でした。


郡上高校のボランティアと参加した子どもたちで記念撮影

(取材:ふるさと郡上会 小林謙一)
郡上を歩く ~ 長良川清流ウオーク
6月15日、長良川流域を歩く「長良川清流ウオーク」に参加してきました。



たまに太陽が顔をだす清々しい風の中、まずは郡上市大和町から白鳥町へ鉄道で移動します。


地元のみなさんがバスと呼ぶ長良川鉄道。電車ではなく、ディーゼルで動きます。
141名という多くの参加者を運ぶため、車両が増設され2両編成で徳永駅から美濃白鳥駅へと向かいます。
車窓には山に囲まれた長良川と、緑の田畑が美しい農村風景が流れ、ちょっとした旅情を味わえます。


引率や指導は郡上市体育指導委員会の皆さんが行います。
体育指導員は80名いるとのこと。郡上では市民のみなさんのスポーツ活動も活発です。

ぎふ清流国体のキャラクターの名がつく「ミナモ体操」で準備体操の後、美濃白鳥駅をスタート。
11kmの「のんびりコース」と15kmの「健脚コース」で出発地の大和町を目指します。


普段は車で通り過ぎるだけの里を歩くと、時間の流れが変わり始めます。
町からは人の息遣いを感じたり、橋では水の音に気付いたり。
国道に出ると濁った空気で浅くなる自分の呼吸を意識したり。
森が近くなると葉が白くなり始めたマタタビや、美しく花を咲かせる初夏の野の草の数々。

ゆっくりと眺めていたい衝動にかられつつもこの日はあくまでスポーツ。
途中のチェックポイントまでは目標時間があるため、のんびりしていると指導員に指導されることも…。


ジャガイモが花を咲かせていました


美しい里山の田園風景、それをつくり出すのは人です。
歩くことで家、道具、作業…里山の風景をつくる様々なものの改めて見出すことができます。

そして里の時間。
太陽が出たら土を耕し、草を干す。
雨が降ったら晴れたときの準備をし、晴れの時にできない仕事をする。
里をつくりだす、自然のリズムに合わせた人々の暮らしがあります。

車で移動する人の時間。時計に縛られる日々。
里を歩く時、普段遠ざかっている自然のリズムを思い出すのかもしれません。
そして足元にある美しくそして大切な里山の豊かさを改めて感じることができます。


農のある暮らしを営む人々



水が豊かな郡上の里



畦で遊ぶ子供たち



珍しい玉石の蔵


この日は鮎の解禁日のため多くの釣り人が


途中昼食をとりつつ歩き始めて、3時間40分。無事ゴール。
郡上を歩く機会をもらい、リフレッシュと共に多くの発見があった一日でした。
里山ウオーク、お勧めです。


普段の運動不足がたたり、太ももがパンパンになったのはいうまでもありません…。
ちなみに日置郡上市長は「健脚コース」を完歩されていました。
特に疲れた様子もなく、次のイベントへと行かれた姿を見て、郡上人のたくましさに脱帽しました…。

本誌『季刊 里山の袋』では、「大和を歩く」を連載中です。
普段通り過ぎてしまう、でも歩くから気付く里山の魅力を、お伝えしています。

<おまけ>

●ミナモちゃん

昼食後にぎふ清流国体のマスコット、ミナモちゃん登場!
ミナモダンスを披露してくれました。
子供にも大人にも大人気でした。



●ウオーキング中に出会った鳥たち



ホオジロ



田んぼの中に佇むアオサギ


「南国チックな鳴き声」のオオヨシキリ



?わかる人は是非コメントをお寄せ下さい!!


(取材:小林謙一)

別荘内の希少なアヤメ(高鷲町)


「珍しいアヤメを見に来ませんか」
関根さんに誘われ、高鷲の別荘地「サンシャインロイヤルガーデン」(以下ロイヤルガーデン)に伺った。

珍しいアヤメとは、「ナスヒオウギアヤメ」。天皇家の那須御用邸から株分けして管理しているとのこと。昭和天皇が研究され、種が出来ないし新種なのではないか、と現在確認が行われているそうだ。国の絶滅危惧種にも指定されている。

「全国で3カ所株分けしましたが、ここ以外は皆枯れてしまいました」




関根潤一さんは日本のログビルダー創世記のメンバーのひとり。ロイヤルガーデン内にも関根さんの作品が多く並ぶ。普段見る郡上とは全く違う光景だ。関根さん自身も敷地内に家を建てて移り住んだ。

ナスヒオウギアヤメが咲くところは、小さな棚田のような湿原園がつくられ、周りはミズナラなどの広葉樹、そしてアカマツの林が広がる。

「アカマツは戦後植えられたもの。松枯れも心配されるので、これからもともとこの辺にあった在来種の森にして、里山の風景を復活させたいんです」

美しく見える松林は、かつては炭焼きなどが行われていた広葉樹の森だったのだろうか。標高が高く雪が多いここ鮎立(きったて)の、昔からある森を見たくなった。



山水を引き込んだ湿原園


アカマツの園内


ワラビは10月まで楽しめる


この日関根さんは、長野県の出版社「まちなみカントリープレス」の取材を受けていた。地方発信にしてハイクオリティな「kura」が有名だが、昨年から岐阜県の魅力を伝える「hitomi」を発行している。写真が美しい冊子で、この日もカメラマンが時間をかけて建物を撮影していた。


Sさん宅。手前はビリヤード台があるプレールーム


取材先である名古屋市のSさんの別荘は関根さん「お任せ」でつくられた。
Sさんは本当は高山市に別荘を構える予定だったが、たまたま立ち寄ったここで関根さんと出会い意気投合。
遊び心たっぷりの建物は平成22年「ログハウス建築コンテスト」(日本ログハウス協会)で審査員特別賞を受賞した。




撮影はとても丁寧に行われた

Sさんは月2回程度別荘を訪れる。冬は雪が深くなり足が遠のくが、行く際は事前に連絡をすると、管理する関根さん達が到着に合わせて除雪をし、床暖房のスイッチを入れておいてくれるそうだ。

別荘を購入し、郡上が気に入って住民票を移す人も多いという。しかし別荘地は企業が管理する私有地。普通は市が除雪をしてくれるが、ここは管理者が行う。市の広報もここには届かない。



サンシャインロイヤルガーデンの西尾社長は憂いている。

「別荘に住む多くの人が、郡上を大好きで「終の住処」にしたいと思っている。しかし行政サービスから切り離された暮らしは不安です。自治体が別荘を支援している長野などは永住することができる」

「また市の下水道が配備されていないので、浄化槽をいれる必要がある。比較的新しく造成した私たちは合併浄化槽を入れていますが、私有地内の規制は無く、他の別荘地では家庭用雑排水がそのまま流されているところもあります。

高鷲は分水嶺もあり、水を生み出すところ。ここを汚してはいけない、と思います。

一般市民には合併浄化槽の購入補助がありますが、別荘所有者にはありません。
せめて住民票を移した移住者には市民と同じサービスが受けられれば、浄化槽の整備が進むと思うのですが・・・」


後日、移住を促進する郡上市交流・移住推進協議会のメンバーに意見を伺った。

「別荘地は個人が経営するいわば“レジャー施設”ともみられる。施設の管理は管理者に責任があるのは仕方が無い。現在除雪は市の財政を逼迫しており、別荘地へ拡大するとすれば費用負担をどうするか、という問題がでてくる。

ただし、高鷲には1000棟を越える別荘が既に建ち、郡上市内でも大きなコミュニティーとしてみることが出来る。コミュニティーとしてみた場合、自治が必要だ。「別荘」という新しい集落の自治会をどうするか、遅かれ早かれ今後考えていく必要があるだろう」

煩わしい都会の喧噪や人間関係を離れて、悠々自適に過ごせる田舎暮らしに憧れる移住希望者は多い。しかしこれまでの「田舎」はイメージと違い、日々忙しく、人づきあいが頻繁であることに気づく。
別荘では憧れの「田舎暮らし」をスタートできるが、その中から別荘内、そして周りの地域の人と交流をしたい、とう希望も増えているという。
別荘管理者は地域出身の方も多く、地域の祭りに誘ったり、地域の達人に技を習う企画などを始めるところも出てきた。

多くの人が見て美しいと思う別荘地の町並みとそれを包む里山の木々。
戦後、湿地を開拓して村を築いてきた高鷲で人がつくりたかったもの、残したいものの狭間に、これからのムラを形づくるためのヒントがあるのかもしれない。


美しい町並み


ゲストハウス。こちらもログで建てられている。


落ち着きのあるゲストルームの居間



関根さんがてがけた先述のSさん宅。2階のベランダにはグネグネと曲がった柵が存在をアピールする。表面の凹凸は床柱などでは見かけるが、こんな使い方をした家は見たことが無い。
インパクトはあるが、木の生命力を感じ、何故か心地よい。

「遊んでいい、というのでわざわざ曲がった木を探してきました。自分は大工でないので、「これをやっちゃいけない」という考えがあまり無いんです」
と笑う関根さん。


関根さんはご両親を東京から呼び、高鷲に共に住む。ここは関根家の「終の住処」になるのだろう。ご両親は敷地内に花を植え、草をひく。ロイヤルガーデンの貴重な戦力、とのこと。

「大変だけど、まぁ身体が動かせるので健康にはいいかな」
とお母さんが笑う。

関根さん達は、新しく郡上に来る人々とともに、これからもここの里山の林の成長を見守っていかれるのだろう。

アヤメが満開になるその頃、また伺いたいと思った。

※関根さんを取材した「hitomi」は6月25日発行とのことです。書店および岐阜県内のコンビニエンス・ストアでも入手できます。

蔵のムラ〜小那比集落散策

2011年5月21日(土)
郡上の隠れ里、郡上市八幡町小那比に行ってきました。

小那比は、実は高級茶葉を生産する茶処。これまでは有名な「白川茶」に混ぜられていましたが、最近では「小那比茶」として独自のブランドづくりをして、郡上市内で「100%小那比茶」を飼うことができます。地元の人曰く、いろんなところでお茶をいただくけど、どこよりも自分の家のお茶が美味い!

そんな美味しい!小那比茶を自分の手で摘み、後ほど家で飲めると人気の「小那比茶摘み茶もみ体験」。今年ですでに7回目となるこの企画は、大きな宣伝をするわけでも無いのですが、今まで参加された方のクチコミパワー?で年々参加する人が増え、今年は市内外から73名が参加。

真夏日となった暑い日差しの中、新芽をひたすらに摘む参加者はみな笑顔です。


さてお茶摘みはもちろんですが、今回の楽しみは初めて行われる「集落ウオーク」。

これまで何度も小那比に伺っていますが、歩くのは初めて。主催の小那比グリーンツーリズム会議・会長、羽田野哲夫さんの案内で、哲夫さんが住む「神奈良(かんなら)」という地区へ向かいます。


先頭を歩くのが羽田野哲夫さん

神奈良は16軒の集落。そのうち11軒に蔵があるそうです。これだけ蔵がある家が密集している集落は全国的に見ても珍しい、とのこと。

集落の入口にさしかかると、山肌に大きな祠が。

 

その麓にはお茶畑。でもこちら昔からある在来種とのこと。
今のお茶畑は管理のしやすいヤブキタになっていますが、ひっそりと在来種が残っている場所があるんですね。

 

そしていよいよ神奈良の中心部へ。なるほど、これまで見てきた小那比の風景となにかが違う!

 

こちらが蔵がある家。

 

世にも珍しい2軒で共有する蔵。隣同士の家で一つの蔵を建てたそうです。立派!

 

そして哲夫さん曰く、「神奈良はみんな羽田野。100%羽田野や」
なるほど、どこの蔵にも羽田野家の家紋が。

 

哲夫さんは神奈良の良さを小川がある風景だといいます。美しい風景を毎日見れる、それが田舎の特権だと。

神奈良を流れる小川には、以前は草が生い茂っていたとのこと。川を美しくしたい、と哲夫さんが一人で草刈を始めたそうです。すると徐々にいっしょに草刈をする人々が増え、今では若い人もいっしょに草刈をしているそうです。
今私たちが見る美しい風景は、集落の結束がつくった風景でした。

「何かをしたいと思ったらまず自分からやる」

お茶摘み体験などのグリーンツーリズムの中心となって頑張っていらっしゃる哲夫さん。集落を愛する想いと行動が皆の心を集め、この美しい風景を生み出しているのだ、と思いました。
哲夫さんは集落を見守るために、毎日新聞配達のために、神奈良を歩いて回っているそうです。

「神奈良には空き家になっているところが1軒しかないんよ」

愛すべき郡上の美しい隠れ里のひとつ小那比。郡上のどこも少子高齢化で人が減り空き家がどんどんと増えている中、神奈良には今も多くの人が住む―その魅力を少しだけ感じることができました。

 

小さな祠の前で
「これは水神様。この水神様のおかげで神奈良は水害はない。いつもお参りして感謝してるんや」
という哲夫さんの言葉に、参加者一行は無言でお参りをしました。

途中一行は、冷たい湧き水を頂いたり、人の庭?とも思える山肌に残る旧街道を通ったり。
予定外に、途中のお宅では子供たちの「鯉の餌やり体験」も実施。
突然おじゃましたのにもかかわらす、集落のみなさんは優しく声をかけてくださいました。

 

 

里山を歩く・・・歩くことで人の営み、そして人々が大切にしてきた自分たちの暮らしをカタチづくる大切な何かに気付かされます。そして自分の中に常に気づきが生まれる「集落ウオーク」、とても楽しいです。
でも、歩くときは地元の方と一緒に、礼儀正しく、「お邪魔します」の気持ちで。里山は観光地ではない、そこに住む人々の一部です。

 


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