川ガールの川ウオッチ(2) 岐阜県・長良川篇
末松佳子(フリースタイルカヤッカー)

1982年 岐阜県郡上市出身。子供の頃から遊んでいた長良川でカヌーに出会う。男子顔負けの豪快なライディングスタイルで、パドラー達からは 「中部の黒い虎」 と呼ばれる。世界選手権出場のため、郡上市で介護の仕事に就きながら睡眠時間を削って長良川で技を磨く日々。

2009年より日本代表としてICF主催の世界選手権、ワールドカップに参戦。2013年ICFカヌーフリースタイル世界選手権大会 スクウォートボート銅メダリスト。

facebook: https://www.facebook.com/yoshiko.suematsu 


こんにちは 郡上市出身・末松佳子(すえまつ よしこ)です。
長良川でカヌーに出会ってから、楽しい川を求める旅が始まりました。
長良川育ちの川ガールからの視点で、全国、世界から、川の魅力をレポートお届けします。

第2弾は、ホームグラウンド・長良川 !

 



ツツジの花が満開を迎えました!!
川ウォッチ5月、パドリングが楽しくなってきた、長良川からお伝えします。



 

長良川(通称: ナガラ)
 水質・・・☆☆☆☆☆
 川下りの楽しさ・・・☆☆☆
 パドリング環境・・・☆☆☆
 観光、グルメ・・・☆☆☆



幼少時代は父の鮎釣りにつれられて、浮き輪を持って川へいきました。
高校の頃は、学校帰りに新橋の下で泳ぎました。
大学卒業後は長良川でラフティングガイドをしました。

そして、川の上を一番自由に動き回れる、カヤックに出会いました。
フリースタイルカヤック2009年世界選手権、スイス大会より、日本代表として、海外の試合に出られるようになりました。

今年は6月25日から行われるフランス、スペインのワールドカップへ出場します。出発はもうすぐです♪



長良川の魅力 

ナガラで生まれたローカル(地元)・カヤッカー(カヤックをする人)として、長良川をレポートします。
 

新美並橋から、美濃橋までの間は、激流(ホワイトウォーター)を楽しめる区間として、日本全国で認知度が上がっています。

アフターファイブにナガラで漕いで、休日は他県の川へ遠征するのがローカルスタイル。
休日の前日は、水位をチェックして、ナガラに留まるべきか、遠征へ向かうか、いつも悩みます(笑)


ここでは、ラフティング(8人乗りのゴムボート)、リバーカヤック(一人乗りのポリボート)、ダッキー(1人~2人乗りのゴムボート)、SUP
・・・ などなど、さまざまな川のスポーツを楽しめます。

 
(撮影)道の駅みなみ・下(郡上市美並町)


そして水のきれいさ。
このスバラシイ水質といったら、文句のつけようがありません。


(撮影)郡上市美並町

 

長年、長良川は、釣り、BBQ、泳ぐ、という場所でしたが、
近年、川のスポーツを楽しむ場として変わりつつあると私は感じています。

パドリングには豊富な水資源が必要です。
水深がないと、石や岩で怪我をする恐れがあります。

水がたくさんあって、地形に高低差があると、高い波ができて川下りや、波乗りが楽しくなります。
ひっくり返ったり、川に投げ出されて泳いだときに、水が汚いと楽しさは半減します。

長良川のように、これだけきれいな水がたくさんあれば、泳いでも、下っても、なにやっても楽しいでしょう!!!

試合だってあるんですよ~


JFKA中部大会の模様



川のルール


さて、川でパドリング(パドルを使うスポーツをすること)を楽しむ為には、皆が守っているルールがあります。

なぜならいつでも安全に、力いっぱい川を楽しみたいから!!!

 

1)川を汚さない
パドリング中の休憩であっても、パドリング中でないBBQであっても、ゴミは絶対に残しません。

2) 助ける
誰かが人が危険なめにあっているときは、知人でなくても近くにいた人が助けにいきます。

 
(撮影)山形県・最上川

3) 救命器具
ヘルメット、ライフジャケットは必ず身に着けて流れに出ます。 


4) 車の配慮

地域の方が困らないよう、車の停め方などに配慮をします。 

(撮影) 山形県

 

長良川を訪れるパドラーの人気スポット

長良川周辺には、見所がいろいろあるのですが、
パドラーは、日中は川の上にいるので、アフターパドリング(パドリングを楽しんだ後)を充実させるグルメ、温泉がメインとなります。

パドラーは最高に楽しいパドリングを求めてナガラへやってきます。
なので・・・

高級ホテルもいらない。

高級料理もいらない。

温泉と、ケーちゃん定食とか、ラーメンがあれば、十分かな。

夏になったら、カヤックの後に「郡上おどり」へ繰り出します。

 

 日本まん真ん中温泉 みなみ子宝の湯
www.kodakaranoyu.jp
 

川に惹かれて移り住んだカヤッカーが営む宿も。

 ゲストハウス笑び(美濃市)
www.mino-warabi.com

 古民家宿&カフェ 陽がほら(美濃市)
higahora.com/


そしてグルメ。
 
  しょうりゅう「豆乳担々麺」(郡上市美並町)
http://shoryu.magleaf.co.jp/

 

  道の駅 美並「カレーうどん定食」(郡上市美並町)
 

外で食べるのもOK!


パドラーは・・・

太陽が昇っている間は思いっきりパドリングを楽しんで、

日が沈んだらお風呂に入って疲れを癒し、

たくさん食べて、広い河原で焚火して、

キャンプしたり、車中泊したりできるスペースがあれば十分なんですよね。

 
(撮影)美濃橋(美濃市

 
さてさて、暖かくなってまいりました。

 ? 空調完璧なショピングモールへ出かける
 ? バスでグルメツアーへ出かける

・・・こんな休日、もちろん私も大好きですが、
この時期しか味わえない、サイコーなナガラを肌で感じてみませんか???

ローカルおススメシーズン(長良川)
 4月 雪解け
 6月後半~梅雨
 9月後半~秋雨

今シーズンもいっぱい漕ぐぞ~ (*^。^*)

○動画追加(2014.6.3)
「2014フリースタイルカヤックサーキット 第1戦 中部大会」
2014年5月11日、郡上市美並で行なわれた大会で、末松佳子さん、
「K-1 女子エアリアル」にて、見事優勝!

タグ: 長良川
川ガールの川ウオッチ 山形県・最上川篇
末松佳子(フリースタイルカヤッカー)

1982年 岐阜県郡上市出身。子供の頃から遊んでいた長良川でカヌーに出会う。男子顔負けの豪快なライディングスタイルで、パドラー達からは 「中部の黒い虎」 と呼ばれる。世界選手権出場のため、郡上市で介護の仕事に就きながら睡眠時間を削って長良川で技を磨く日々。

2009年より日本代表としてICF主催の世界選手権、ワールドカップに参戦。2013年ICFカヌーフリースタイル世界選手権大会 スクウォートボート銅メダリスト。

facebook: https://www.facebook.com/yoshiko.suematsu 

こんにちは 郡上市出身・末松佳子(すえまつ よしこ)です。
長良川でカヌーに出会ってから、楽しい川を求める旅が始まりました。
長良川育ちの川ガールからの視点で、全国、世界から、川の魅力をレポートお届けします。

第1弾は、山形県最上川 から



2014年4月20日に行なわれた、日本カヌーフリースタイル選手権大会、会場の山形県朝日町付近です。

 水質・・・☆☆
 川下りの楽しさ・・・☆☆☆
 パドリング環境・・・☆☆☆☆☆☆
 観光、グルメ・・・☆☆☆


郡上市からは東海北陸道から富山、新潟から日本海北陸道へ、 荒川胎内インターを降りたら小国峠を越えて寒河江方面へ、 朝日町まで走行距離560キロ。 春は毎年試合の練習も兼ねて、ここまで漕ぎに来ます。


4月は標高1,984メートル、月山の雪解け水が大量に最上川に流れています。 深い谷、増水してもこれだけ谷が深いと心配ないかもしれませんが、しばらく晴れの日が続いても、雪解水だけで長良川の通常の3倍は水量がありました。

この水には、冬のうちに撒かれた融雪剤や土壌に含まれた農薬なども一緒に流れてきます。水質は良いとはいえません。
しかし、このダイナミックな水量と地形が作り出す「タンの瀬」のビッグウェーブが、いつ行っても必ず乗れるというのは、とても魅力的。北海道、四国、九州と、本州を含めて日本全国から、このウェーブを求めてカヤッカーがやってきます。

最上川だけじゃなくて、寒河江川にも楽しいウェーブがあるらしい。今回は試合も含めての遠征だったので、ダウンリバー(川下り)できなくて残念でした。

いつかはダウンリバーしてみたいな!!

そして続いては、川巡りのもう一つのお楽しみ、「観光・グルメ」コーナー。


その1 ご当地名物
山形県朝日町の名物はなんといっても「りんご




この地域ではりんご農園だらけ、長良川沿いに田んぼだらけみたいに、りんご農園に囲まれていました。 こちらの「りんご温泉」の浴槽にはりんごがいっぱい浮かんでいます。
そして・・・

カヌーランド!!



カヌーランドは トイレ、電気、水道、広い駐車場、河原へ降りやすいように作られたなだらかなスロープ。カヌー小屋にはここでパドリングを快適に過ごす為に必要なものが全てそろっています。

こちらの施設、無料開放になっています。 ダウンリバーのスタート地点には広い駐車場、いたれりつくせり・・・。 しかしながら、この「カヌーランド」の使い方については、訪れるカヤッカーの良心に任せるところが多々あります。

近年話題になっている長良川のBBQゴミ問題にも言えるけど、「誰もみていないから、何をやっても良い」という考えが使用する側にあると、きっとカヌーランドはすぐに使用禁止になってしまうでしょう。ここが使い続けられる理由が、川を楽しむ上でとても大切なことに感じます。



その2 グルメ

名物「肉そば」

 山形には肉そばの専門店がいたるところにありました。 太目のそば麺に、鶏のだし、具は鶏肉、ネギ、ゆでたまご 冬でも、冷たい肉そば、暖かい肉そば、両方楽しめます。肉そばはソウルフードみたい。 鶏のだしに強めの太麺がからんで、付け合せの鶏肉と一緒にいただくと、更においしかった!



ずんだもち
串にささった長いお餅を、枝豆を細かくくだいて甘く味付けして炊いたものでくるんだお菓子。 こちらは、和菓子屋さんの定番商品です。道の駅にもたくさん並んでいました。 枝豆ではなくて、くるみを使ったものもありましたよ。 個人的にはくるみが香ばしくて好きでした。



お通し
 居酒屋へ行くと、必ずといって良いくらい、菜っ葉のおひたしと、ゆでたホタルイカに甘い白みそのタレ がかかって小鉢がでてきました。



その3 川の見どころ
朝日町では最上川沿いでのフォトスポット、散策のおススメ案内版が道沿いに建っていました。



その4 温泉
源泉かけ流しは当たり前、しかも300円前後!! 豊富な温泉がいたるところにあります。

最上川の雪解け水の冷たさは真冬の長良川と同じ。でも温泉に入れば長距離運転の疲れも漕ぎ疲れも吹っ飛んでしまうから、温泉タイムは必要不可欠!
今日はどこへ入りに行こうかな?と、迷うのも、最上川遠征の楽しみでもあります。

数ある温泉の、ごくごく一部をご紹介。

 テルメ柏陵(山形県大江町)
【ポイント】毎日お湯の色が違うのが楽しい♪ 


 ゆーチェリー(山形県寒河江市)
【ポイント】ウーロン茶色の寒河江温泉。ちょっとヌルっとしたお湯


↓ 隣には今年オープンしたばかりのホテルも


「○○だべー。」など、温泉や飲食店へ入ると独特の山形弁で、どんな会話をしているのか全くわかりませんでした・・・。温泉はこの値段なので、家でお風呂に入る方は少ないのでは!?

最上川で、今年もいっぱい春の思い出作ってきました。
さて、長良川へ帰ろう!



全国と世界の川でチャレンジ中の末松さん。
今回の最上川での選手権大会では、見事K-1女子、SQ-1女子でそれぞれ2位に。ワールドカップ選手として今年の出場が期待されます。

次回は様々な川を見て来た末松さんからみた、郡上・長良川の魅力をお伝えします。お楽しみに!

※『月刊 末松佳子』は毎月末更新予定です。 

地域を支援する仕事とは

 郡上市には現在、地域を元気にするため市外から4人が移り住んで活動を行っている。その名も「地域おこし応援隊」、そして「地域おこし協力隊」。

 国や県の補助金に頼らない、郡上市の単独事業とのこと。市の予算が厳しい中、市内でも過疎化が進む地域で重点的に取り組まれ、従来の公共工事や箱モノではない「人」による地域活性が期待されている。


■「ぶっちゃけ、郡上の暮らしはどう?仕事で困っていることは?」

平成23年5月31日。派遣から2カ月たったこの日、郡上市役所担当者による懇談会が行われた。

 郡上市外から来た隊員の皆さん。皆さんの受け入れ先も地域団体なので、会社のように業務について上司や部下、マニュアルがあるわけではない。新しい職場、というだけでも大変なのに、暮らし自体も一変する、そんな新たなチャレンジを始められた皆さんのお話を伺った。

 会場は市民有志でつくった未来の里山づくり団体「ふるさと栃尾里山倶楽部(明宝)」の活動拠点で、空き家を再生した古民家「源右衛門」。会議室と違う穏やかな空気の中、懇談会はスタートした。



■ 都会と田舎 … 仕事のスピードの違い

 和良おこし協議会 小林隆臣さん
 赴任先:和良町/岐阜県安八町出身

「和良での暮らしは、環境はいいし、気にいっています。信号やコンビニはゼロだし、スーパーは6時に閉まるし(笑)

 戸惑うのは仕事のスピードの違い。今まで東京では自営業をしていましたが、自営業は自分で決めてすぐ行動できる。地域での決めごとは会議では決まらず、各団体との調整が必要です。仕事的にみると大分スピードが遅いですね。なかなか動けないのが田舎なんだな、ということがわかりました」

<主なミッション>
・高齢者の見守り
・耕作放棄地の活用支援
・地域資源の活用


■自分が手掛けることが効率的なのか不安です

 
めいほう鶏ちゃん研究会 木村聖子さん
 赴任先:明宝/青森県六ケ所村出身

「仕事をやり始めると、周りがやって欲しいことがどんどん出てくるのですが、果たして自分がその業務をするのに効率的なのか、悩んでいます。例えばイベントで、入れ込み予想に基づいて鶏ちゃん何食分、準備品は何…というのは経験したことがないからわからないんです。本当は今までやった経験がある人が段取りをした方がはるかに効率的だ、と思うんです。ただ地域の方はみな仕事を持ち忙しいので、自分が一番動けるのでしょうが…。

 今は相談して適した人にお願いし、本来のPR業務やマスコミ対応をもっとできるようにしたい、と考えています。」

<主なミッション>
・地域資源「鶏ちゃん」のPRなどで地域コミュニティビジネスを促進
・地域の伝統芸能や祭礼への参加


■ 地域の課題が次から次へと出てくる

 石徹白地区地域づくり協議会 伊豆原理恵さん
 赴任先:白鳥町石徹白/愛知県みよし市出身

「ミッションをいただいて地域に入るわけですが、地域のことをやっていると、仕事以外の課題がいろいろと出てきます。とはいえ、何でもかんでも窓口になるのも困りますね。

 優先順位を付けて業務を行い、できないものは断っています。でも地域のことなので断りにくいのも事実です。自分は社会人経験が長いので、「できません」とはっきり言えるけど、若い人が応援隊で入って断りきれないと、本人は大変になるのではないでしょうか」

<主なミッション>
・地域食材を活用した商品開発と販売開拓サポート
・地域伝統芸能への参加


■プライベートと仕事の区別が難しい

 ふるさと栃尾里山倶楽部 安井佐代美さん
 赴任先:明宝/愛知県名古屋市出身

 プライベートと仕事の線引きに戸惑うことがあります。現在は地域の活動拠点である古民家・源右衛門に住まわせてもらっているわけですが、源右衛門の片づけや掃除は、家としてはプライベート、皆が集まる場所としては仕事なのか、線引きが微妙です。

 また源右衛門には自然エネルギー施設がついています。震災の影響で自然エネルギーに注目が集まり、取材依頼がたくさん来ます。私は住んでいる人としてインタビューを求められますが、質問は決まって「自然エネルギーの暮らしはどうですか」というものです。

 私はここの暮らしがしたくてここに住んでいるので、自然エネルギーは関係ないんです。エネルギーがなくても、ここは山と水があるから生きていける、と思っています。

 実際自然エネルギー施設のある生活は、実証実験の設備なので、無駄にしないようにと考えて生活していましたが、とても疲れます。だから今は、普段の生活では気にしなくなりました。自然エネルギーに振り回される生活は疲れるんです。

 そうした暮らしを伝えたいのに、自然エネルギーのある暮らしについて答えを求められると「別に」としか答えられないので、インタビューはすべて断らせてもらいました」

<主なミッション>
・里山や古民家を活用した都市住民との交流などで地域コミュニティビジネスを促進
・地域の伝統芸能や祭礼への参加



■市担当職員より

「活動が活発なので、処理する事務量も大変だと思います。「これは自分の仕事ではない!」ということも正直に言ってほしいと思います。

 一方、市役所もやってほしいことがあるので、皆さんに要望をもっと言っていければと思います」(郡上市役所 明宝振興事務所):


「地域に住んでいると、仕事とプライベートの切り分けは大変ですよね。特に安井さんは住まいと職場が一緒なので、余計に大変だと思います。

 今住んでいるところはお客さんが来るところなので、10mでもいいから離れたところに住んだ方がいいですね。安井さん自身の、本来の生活に戻ってほしい、と思います」 (郡上市役所 市長公室 地域振興課長)


「マスコミには大いに露出してもらい、是非週刊誌などにも取り上げてもらえるようにしましょう。記事になったり露出が多くなることは、郡上の追い風になるはずですから。マスコミ対応に困ったら、地域振興担当に伝えてください」(郡上市役所 市長公室)


■空き家があるのに借りられない!

小林さん(和良):
「和良は若い人がいないと成り立たないですよね。今課せられた仕事をしていますが、大きく見ると、若い人に帰ってきてもらうためにはどうするか、が気になります。

 また人が住むには、空き家を貸してもらえない、というのが課題ですね。空き家だけど仏壇があるとか、盆と正月だけは使うから、とか田舎独特の事情があります。

 仏壇の保管場所とかつくって動かしてあげたら貸してもらえるんでしょうか?数年空き家にしたら仏壇を動かしてください、とか行政サイドでルールができないかな、と思います」

伊豆原さん(石徹白):
「自分が職務として地域に入るときに、地域の人が非常に苦労して家を用意してくれました。空き家といっても持ち主にとって「家には人がいなくなっても、魂はある」という、大切なものです。

 協議会では石徹白の移住促進を行っているが、自分の友達が石徹白に来たい、と仮にいっても実際には家を探すのも大変で、積極的に勧めることができない。きちんとした受け入れ体制をつくることが大切だと思います。

 家を貸すのにも家主にとっては借りる人が信用できる人か不安なので、公的な信用機関ができて仲介ができるといいのではないか。

 また、すぐに地域の暮らしに馴染むことはできないので、“自活して暮らすトレーニング期間”が持てることも必要なのかもしれません」


■市担当職員より

「10年くらい前には、八幡町で規制を検討したことがありました。「空き家課税」です。

 郡上八幡の町は城下町で古い町並が残る美しいところですが、「空き家課税」を導入すると、家をつぶして空き地にしてしまう、という問題がでました。

 郡上八幡は町並が財産なので、この規制は見送られました」(郡上市役所 市長公室 地域振興担当)



「源右衛門(会場となった古民家。空き家を地域の人で再生し、地域活動の拠点となっている)に来てもらい、市民の方にこうした空き家活用があるのだ、という成功例を見てもらうのがいいのかもしれないですね」(郡上市役所 市長公室 室長)

 



■応援隊の目標は「地域の幸せ」

伊豆原さん(石徹白)
「応援隊の目標は、地域の人が幸せになる、そのお手伝いをすることだと思うんです。「石徹白の人が幸せになること」が着地点ですね。着地点は各地域によって違うのではないでしょうか。これをすると地域が活性化する、という画一した計画を地域に提案するのは間違いだと思います。

 地域のニーズに寄り添い、小さなことでもその人が幸せになることに協力したいと思います。ビジネス的にいえばこうすればもっと儲かるのに、というのはありますが、あくまで地域のやりたいことを形にすることが仕事だ、と思っています。

 石徹白は石徹白のゴール点を持つことが必要ですが、その時に一緒にゴールを探してくれる人がいないと、凄くつらいですね」


■市担当職員より

「地域には地域活動を行っている団体がたくさんあります。所属団体だけではなく、様々な団体の集まりに参加して、意見をいってもらえると、お互いの刺激になって新しい発見ができるのではないか、と思います」(郡上市役所 明宝振興事務所)


「郡上市では仕事の改善を目的に、目標管理を市職員に課しています。(自分自身がどうありたいか、ということなので)現在の受け入れ団体との協議ではなく、自分自身の具体的な目標をご自身でつくられるといいのではないか、と思いますので是非つくってみてください」(郡上市役所 市長公室 室長)



 今回登場しなかったが、郡上市で応援隊、支援員を受け入れている各団体は、それぞれ地域住民で構成され、地域を愛し、そこに住み続けたいという人々が有志で活動を始めている。

 地域で産業を興し、経済を生み出し、「お金」が入るということは目に見える形の「地域振興」と捉えられている。行政や企業が支援しやすい形かもしれない。しかし「地域の幸せ」、そして「移り住みたい地域」はそれに加え、もう少し別のところにもあるのかもしれない。

 地域に人が入る、何かが生まれる … 郡上の中で今、確実に新しい動きが生まれたのだ、と感じた。地域を支援する活動の理由、それは地域の人々、新しく入った人々が守りたい、残したいものがここ「郡上」にはあるからではないだろうか。

 そして人が入るためには受け入れ体制の整備、とりわけ空き家の活用が話題となった。郡上市も長年取り組んでいるとのことで、まだ有効な解決策は見つかっていないようだ。しかし空き家は今後増えると予想され、景観、安全など様々な面から課題になっていくことま間違いない。

 今回はみなさんの仕事について触れることができなかったが、今後取材を通して実際の活動をお知らせしたいと思う。次回は小林隆臣さんが働く、和良を訪ねる。

(取材:小林謙一)


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