
林業女子会@岐阜設立。
学生をはじめ、森林組合やNPO法人で働く女性16名が川上から川下までの林業の魅力を伝えます☆
お久しぶりです、kanakoです
昨年から飛騨に暮らしているところで、飛騨は飛騨の匠と言われるぐらい昔からの伝統技術、木工房、イチイの一刀彫、有名な家具屋さんもたくさんあります。
しかし、実際詳しく見に行ったことはなく、飛騨高山のこと知らないことだらけです。
そんななか林業女子会の唯一の飛騨メンバーで森林組合に勤める薫子ちゃんと、高山で伐った木はどのように使われているのか疑問にもち、今回追ってみることにしました!!
題して・・・
「木工見学ツアー!!inひだ」
私の働く市場のお客さんである花井木工所さんと市内にショールームも持つ木工房大噴火さんへ見学に行ってきました。
書いていたら長くなってしまいました。。。ということで
「木工見学ツアー!!inひだ ~Ver.1~」
花井木工所さんは、料理人の方が使う高級な包丁の柄、さやをホウの木(天然木)で作る3代続く歴史的な木工所です。
高山の市場から原木を調達し、チェーンソーで輪切りにし、斧の刃のような機械で板状に割ります。それからなたを使って手で棒状に割り、家の天井裏のような空間で約半年くらい乾燥させます。乾燥したものは、円盤に刃のついた機械を使って削っていきます。削る作業時間はほんの10秒ほど。
↑手作業で丸太から棒状にしていきます。
↑棒状のホオノキを柄の丸い形に削っていきます。
四角い細長い木が一瞬で柄になります。1時間で約180本、1日6時間頑張って1000本作ります。
この工程のなかで気になるので、なぜ丸太から原始的に手で割っていくのか
そこがミソであり、包丁を作る職人さんはどうしても花井さんの柄がいいと選ぶ理由がここにありました。
手で割ることで、木の目の通りに割れます。曲がっているところは曲がって割れます。
のこぎりを使って切ると、木の目は関係なく切れていきます。
包丁の柄は最後包丁の刃を差し込んで完成します。その際にのこぎりの刃を使ってできたものでは、うまく差し込めず曲がってしまったり、余計な力が必要になりします。
包丁を作る職人さんはそれを嫌がり、花井さんの柄はスーっと差し込めるそうです。
↑こちらが本当の完成品!花井木工所さんでは、"柄"や"さや"まで作っています。
いろいろな職人さんの手を渡って包丁がつくられます!
またホウの木の柄は、長年使うと自分の手になじみ、自分の握る形になります。
ここで作られる柄のほとんどが大阪の境の包丁に使用されています。
ホウの木は優れもので、飛騨地方では朴葉みそ、朴葉餅と葉っぱが使われ、樹皮は昔漢方薬と使われ、商品にならないところは薪に、おがくずは近くの家畜 とあますところなく使われています。全て高山市内にサイクルがありました。
昔、山にはたくさんのホウの木がありましたが、今では高く売れる太いところ以外はパルプになることが多く、市場には少なくなりました。
花井さんはホウの木がなくなっては製品が作れなくなってしまいます。これからの問題です。
また、日本食が世界でも有名になり、世界の料理人さんには日本の包丁は人気だそうです。
世界中に何万本もある包丁のなかでこれがいいと選ばれる包丁の柄をここ高山の町なかで花井さんが作っていると考えるとわくわくしてきて、とてもキラキラしていて、素敵です。