先日、鳥の鳴き声のことを書きました。
ところで、そもそもリコーダーはなぜ“recorder”というかご存知ですか?
ウグイスは、初めのうち鳴き方が下手ですが、だんだんうまくなってきますね。
18世紀の初め(300年前)、イギリスで空前の小鳥ブームが起きました。
鳥を捕まえてきて、カゴに入れ、横で笛を吹いて歌を教えるのです。
うまく鳴くようになったら、来客に自慢したり、よい声で鳴くものは市場で高値で取り引きされたようです。
訓練の最初の段階で小鳥が出す音を「チルプ」、次が「コール」そして最後を「リコ-ディング」というそうで、歌手のレコーディングと綴りが同じです。
もうおわかりでしょう。“recording”から“recorder”となったのです。
この頃(1717年)にロンドンで出版された「小鳥愛好家の楽しみ」という曲集があります。
この曲集に載っている曲は、鳥の鳴き声を真似たものではなく、鳥に歌を教えるための曲なのです。
私も吹いてみました。
楽器はソプラニーノ・リコーダーです。
アルト・リコーダーのオクターブ上が出る楽器で、ソプラノ・リコーダーより一回り小さいです。
曲は順に
(1)ムク鳥その1
(2)森ヒバリ
(3)カナリア
(4)ムク鳥その2
(5)東インドのナイチンゲール
です。5曲続けて演奏しています。
左のプレーヤーの一番上か、下のURLをクリックしてお聴き下さい。
当時は10~11ヶ月もかけて、若い鳥にこれらのメロディを教えていたようです。
今ならラジカセとかで流せばいいですから簡単ですね。
カナリアなら手に入りやすいかも。
ところで、上の曲は、リコーダーの語源の話をしながら、
秋に古今伝授の里の野外コンサートでも吹くつもりです。
鳥たちが
「ピピィ あれ 歌の先生がござったんかな?」
「なんやわからんけど イギリスの歌を教えてくれるんやって ピピッ」
「ほーら いこまいか いこまいか」
といって、集まってきて合奏になったりしたら、面白いだろうなぁ。