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創業祭、そして布絵展最終日
今日は白山中居神社の創業祭が行われました。



夏のこのお祭りは、神社の境内、つまり野外で
行われるので、とてもすがすがしく
気持ちのいい雰囲気が、私は好きです。

今年は小学校5・6年生の人数が多いので、
小学生の女の子4人が巫女になり、
浦安の舞を奉納しました。



きれいにやわって、みんなとても無垢で清純だけれど
艶っぽい美しさを放っていました。

神様への舞をする巫女たちだからでしょうか。

石徹白にしては少し蒸し暑くはありましたが、
ちょうど良い空気温で、
深呼吸をしたくなるような、
そんなさわやかさがありました。


節風社(神社の楽団)のみなさんが
浦安の舞の音を担当します。
楽器だけではなく、唄のパートもあり、
生の演奏がとても贅沢に聞こえました。


私は息子と、そして祖母と一緒に行きました。
久しぶりに夏着物を着て、お出かけ♪

(5月に写真展示をさせてもらった高垣昌幸さんに撮影してもらいました)

息子が眠たくて最後のほうはぐずってしまったので
終わりまで居ることはできませんでしたが、
とても気持ちのよいお祭りに参加することができて
嬉しかったです。

白山中居神社のお祭りは、
季節それぞれに特徴があって
どれも、私はとても好きです。

今回もお参りさせてもらえて、幸せでした。


そして、今日は、石徹白洋品店の布絵展の最終日でした。

本当にたくさんの方に来ていただけて嬉しかったです。

「ここに来るのをとっても楽しみにしていたんだ」と
おっしゃってくださる方がみえて、嬉しいとともに
背筋が伸びる思いがしました。

わざわざ石徹白においでくださる方の期待に
応えられるようなものづくりが、企画が、
できているだろうか・・・

また来てみたいと思っていただけるだろうか・・・

ふらっと簡単に立ち寄れる場所ではないからこそ、
気に入っていただいて、もう一度来ていただけることが
私にとって、課題となります。


私なりに、今の自分ができる精いっぱいのものづくりや
企画展示をしているつもりですが、
まだまだなところがあるといつも感じているので、
よりよいものができるように、
常に精進していきたいと思いました。


8月、9月は企画展はありませんので
通常営業です。

第2金土日の営業となります。

ゆったり過ごしていただけるように
工夫していきたいと思いますので
ぜひおいでいただければと思います。


今日も本当にいい一日になりました。

おいでいただいたみなさま、
ご協力いただいたみなさま、
本当にありがとうございました。
藍染めの古い上着
先日、石徹白の86歳のRさんのおうちに
お邪魔して、お借りしてきた
手織りの麻布の上着について
じっくりと調べ中です。

手織りの、しかも藍染めの上着。
女性ものは、初めてみました。

とても素敵なデザインです。特にお袖。


かなり使いこんであるようで、藍染めの色が
とても味のあるいい感じに薄れています。

Rさんによると、女性が着るものは
もともと薄めに染めたそうです。

また、袖の形が変わっていておもしろいです。

普通の筒袖よりも、布が少なくて済むし、
何ともおしゃれな感じがします。

脇は空いていて、風通しのよいようになっているのも
ポイントと思います。


 これが、後ろから見た姿。


背中の右身頃のところが継いであります。
想像ですが、家族のために反物で着物を
つくった後に余ったものを組み合わせて
自分の着るものを作ったのではないかと。

だから、前身頃と後ろ身頃も、肩で縫い合わせてあるし、
こうして後ろ身頃も、足りなくなって、継いであるのでは
ないかと思います。



全てのパーツが直線断ちの
長方形で作られているからこそ、
こういうことができるのです。

自分が育てて、糸を紡いで
織り上げた布を一寸たりとも
無駄にしないためには、
こういう形が理想的だったんですね。


こういう手仕事を見ていると
心の底から愛おしくなります。

こんな大変な工程で
今の私はつくりだせないけれど、
細かく見ていると
学ぶ部分が多すぎて
何だか圧倒されます。

素材も、
縫い方も、
染めも、
そして、込められた心も・・・

すさまじいものが感じられるのです。
そして愛情も・・・。


今、失われて、
私自身も分からないような
大変な暮らしだったからこそ
生まれてきた
こうした素晴らしいものに
触れられて、
嬉しいというか、何と言うか
心がいっぱいになります。


貸してくださったRさん、
本当にありがとうございました。

この服を糧に、
進んでいきたいと思います。

 
麻の藍染めの衣服
今年の私のテーマの一つは藍染め。
なかなかまとまった時間をとって
勉強することができない・・・

が、石徹白での藍染めについて
調べてみようと思い、
詳しそうな方にちょこちょこ話を伺っています。

先日、うちを訪ねてくださった石徹白出身のおばさま(70代?)は、
自分が小学生の頃、おばあさんが藍の葉を育てて
藍染めをしていたといいます。

甕があり、そこに藍を建て、染めていたと。

70代の方が小学生の頃だから、
かれこれ60年ほどさかのぼる・・・。


そして今日、86歳のRさんを訪ねて
藍染めについて聞いてみました。

すると、彼女のお姑さんが藍染めをしていたとのこと。
ただ、彼女が嫁いできたときには、
もうあまりやらなくなっていたそうです。

これもきっと、60年くらい前のことなのでしょう。

Rさんのお姑さんも、藍の葉を育てて、
藍を建てて、染めていたそう。

彼女のところは甕ではなく、木の桶を使っていたという話でした。

このお二方の話の中で共通するのは、
藍染めをしていた同じ頃、
麻を育てて、糸を績み、機織をして
麻布をつくっていたということです。

これも60年くらい前のことだから、
1950年ちょっとくらいのこと。

戦後、GHQによる指導で政府が麻栽培を禁止したのは、
戦後すぐだから、石徹白では、その後も
栽培が続いていたということになります。


麻の栽培は、日本全国、戦前は至るところでされていたので
石徹白で栽培されていてもまったくおかしなことではありません。

かつ、非常に有用な植物、かつ日本の自然条件に
よく合っていたものだったため、
GHQが禁止しようとしたときに
日本政府はそれをどうにかして逃れようと
色々腐心したという話も聞きます。


先のおばさまは、戦後に、自分のおばあさんが
麻を栽培しているところを見たということでしたが、
そのとき、収穫直後、葉っぱをその場にすべて落して
茎の部分だけ使ったという話でした。

これは、葉を麻薬として使わないように
収穫後に焼却させることで、
GHQによる麻栽培の全面禁止を食い止めようとした、
という日本政府のとった動きに重なります。


今や、麻の栽培は許可制で、
その許可も新たに取得することは
非常に困難になっているそうです。

だけれど、麻が麻薬としてではなく
産業用としての用途が幅広く、
有用な植物として再認識され、
欧州では、麻の栽培が推奨さえされています。

世界を見渡してみても、
麻の栽培を禁止しているのは、
アメリカ傘下の国だけという話で、
日本はその一つです。


それこそ、縄文の時代からずーーーっと続いてきた
伝統的な麻織物が外の力によって禁止され、
大切な文化が突然失われてしまったのは
日本の大きな損失ではないでしょうか。

日本のきらびやかな着物文化は絹織物が主だけれど、
マジョリティが暮らして、様々な知恵や文化を積み上げてきたのは
ほかならぬ、農村部ではないでしょうか。

そこで、普段身につけるために自給してきた麻、という素材は
日本の風土に完全にあいまって、
人々の暮らしに欠かせないものだったのです。 


石徹白で、急に麻栽培を復活させることは
今はできませんが、
麻について覚えている人がいるうちに
できるだけたくさんのことを伝え聞いておきたいです。


今回、Rさんに石徹白で織った麻布を
石徹白で栽培した藍で染めた衣服を
いくつかお借りしてきたので、
それをしっかりと研究(?)しようと思います。

石徹白洋品店にとって
かけがえなのない、貴重な資料となりました。 
手紡ぎ手織りの麻布
石徹白洋品店では、
石徹白で古くから使われている
作業着などの研究・復刻・現代における
活用を行っています。

そのために、今残っている古い野良着や
そのもととなる布の収集にも努めています。

そんななか、とある方がくださった貴重な布たち。

活用する術がないからと、
惜しみなく、貴重な布たちをくださいました。
ありがとうございました!

それは、石徹白で育てた麻から
手紡ぎしてうみだした糸で手織りした麻布でした。

石徹白では(日本全国、どこでもあったと思われますが)
麻を栽培して布にして使っていました。

戦後、麻の栽培は禁止されてしまいましたが、
もともと自生していたものと思われ、
日本の風土にとっても合うため
その生育が早く、また、麻自体、余すことなく
様々な用途で活用できたため
積極的に栽培されていたようです。

いただいた布たちはこちら。


これは色は生成りですが、かなり白っぽい感じがします。


拡大すると、


繊細で美しく、麻とはいえ、比較的柔らかい印象です。


これは何かを仕立てた後の残り布だと思われます。


①よりもかなり目が粗く、ごわごわと固いです。
分厚くて、でも目が粗いので風通しが良いです。

麻を栽培して、いい部分は細くきれいな糸にして、
屑で太い糸を撚った、というような話を聞いているので
これは太い方の糸なのではないかと思います。
でも、糸も織りもすごく丁寧に仕上げられています。


こちらは、①と②の中間色のような色味です。


手触りも①と②の間の固さなかんじがします。



糸は途中で紡いであるのが分かるので、
①よりも繊細ではないです。
素朴な風合いが魅力です。



これも色は③と似たようなかんじ。


反物としてきれいに丸めて保存されていました。
拡大して見ると、



どれも経と緯は同じ太さのようです。
均一な糸に仕上げられ、織りもとってもきれいで
丁寧な仕事に見受けられます。


これで仕立てられた「たつけ」や「カルカン(?カルサン)袴」もあります。

ここは雪が多いので、雪がくっつかないような
さらっとした、こうした麻布が活躍したようです。

また、衣を自給するために
生育が早く扱いやすい麻が取り入れられたのでしょう。

今のように買っては捨てる、というような生活ではなかったため
こうした布は大変貴重なものでした。

栽培し、繊維にし、糸にして、織りあげるまでの苦労を
想像すると、この布たちがとても愛おしく思えます。

さらに、この布で、家族分の衣料を女性たちが
夜の仕事として囲炉裏端で縫っていた・・・
それはそれは膨大な時間のかかる
手間ひまかけての作業だったんだと思います。


この布を使わせてもらって、
かつて使われていた「たつけ」や「袴」の復刻版の制作を
石徹白の方にお願いさせてもらいました。

今年、石徹白洋品店をオープンする夏季には
展示できるといいなと思っています。



どうして麻が使われていたのか、
どういう経緯で、こういう形の衣となったのか、
どういう思いで、こうした衣がつくられ、使われてきたのか。

ただ単に「かたち」を復刻させるだけではなく、
その背景にあるものたちを
きちんとお伝えできるような展示を
試みたいと思っています。


冬の間に、少しずつ、石徹白ならではの手仕事を学び、
かたちづくることができたらいいなと考えています。

白山中居神社秋の例祭と「げど」
今日は、白山中居神社で秋の例祭が行われました。
木の葉が色づきはじめたこの季節、
石徹白は本当に美しく色とりどりの紅葉を楽しむことができます。

頭のほうが染まりつつある神社の楓。


石徹白の白山中居神社では、
春・夏・秋に例大祭があります。

秋は実りを祝うお祭りです。


春・夏は石徹白の少女が巫女になり舞を奉納しますが、
秋はそれがなく、参拝客も春・夏に比べれば少ないです。

しかし、私は、このひんやりして澄みきった秋空の下で
清々しい気持ちを味わいながらの祭がとても好きです。


また、豊穣を祝うということで、うるち米をついて餅にした
「げど」投げという神事が行われるのも興味深いです。

今日は祭が終わった後に、くくりひめカフェでランチをいただきましたが、
お汁に「げど」が入っていてとてもおいしかったです。

これです!


 普通、餅といえば、餅米を使いますが、石徹白の「げど」は
うるち米をついたものなので、もちもちするというよりも、
しっかりした歯ごたえで、食べ応えのある感じです。

煮るととろけてしまうのかなぁと思いましたが
そういうわけでもなく、きりたんぽみたいなイメージでしょうか。

ちなみに、今日のランチは
「石徹白野菜ランチ」でした!


そうめんかぼちゃのサラダ、
ナタ豆・大根の煮物、
湯豆腐、なすの肉みそがけ、
野菜の天ぷら、
げどのお汁、ごはん、おつけもの というメニュー
でとってもおいしかったです◎

石徹白ならではの「げど」が入っているのが
すごくいいですね。

石徹白人による、石徹白の食文化を大事にした
メニューがとても好きです。



石徹白という地域に住んでいる人が、
この地域のことを知り、愛し、そこの良さを
つなげていく、ということが、地域の将来にとって
どれだけ大切か、しみじみ感じます。

石徹白は歴史も文化も深いところだからか、
地域に対する誇りを強く持っている人が多いです。

とはいえ、それが、隅々まで、若い世代にまで
浸透しているかというと、必ずしもそうではないかもしれない。

だけれど、こうしたくくりひめカフェのメニューとして
地域の食文化が取り入れられていると、
きっとそれを子供たちも見ていて、
何かつながっていくと思うのです。


食で地域おこし、
地域文化の振興、など「地域活性化」のための
ツールとして様々な手立てが講じられますが、
まずは、地元の人が地域のことを知ることが一番。

外の人を引きつけようとか、
観光客を増やそうとか、それは二の次。
まずは足元を知ることだと思います。

自分の地域を誇りに思って愛している人が多いと
自然と、地域外の人からも愛される土地になるんだと思います。

私は、石徹白の人が石徹白を愛しているのがすごく良く伝わって
きたからこそ、ここの地を愛することができました。

そういう連鎖が今でもある場所なんだと思うし、
私もその連鎖の一つの役割を果たしていきたいと思います。

 

秋の祭が終わると、冬支度を・・・というかんじがしてきます。
山も紅葉し、葉を落とし、雪の降るのに備えていきます。

この自然の営みの速度にきちんとついていけるよう、
冬への心の準備を始めようと思います。

寒くて長い冬。
でも、私は嫌いではありません。

それぞれの美しさがあるから。

今、緑で埋め尽くされている集落が
真っ白になる季節。
それを迎える心と体の準備さえできていれば
怖いどころか、わくわくしてきます。

今年はどんな冬になるのでしょうか。
今から待ち遠しいです。 
聞き書きの会2012
9月1,2日と「石徹白聞き書きの会2012」を行いました。

3回目の聞き書きの会。
1回目と2回目とは少し違った内容で行いました。

当日の様子はこちらの石徹白ニュースにアップしました。


この企画は、2010年から行っているものです。
私が石徹白に通い始めたのが2007年夏、
その頃から、石徹白に住んでいるおじいさん、
おばあさんの話をちょこちょこ聞いてきました。

でも、きちんとまとめておく、ということはなかなかできず
聞きっぱなしな状態でした。

そんな頃に出会ったのが「聞き書き」という手法でした。

そのとき仕事で豊森なりわい塾の事務局をしていて、
豊田の山間地に住む90代のおじいさんの
聞き書きをしました。

90代のそのおじいさんは、記憶力が落ちていて
あまり話ができないんじゃないかと
家族の人には言われましたが
昔の話を聞いていくと、とても鮮やかに覚えてみえました。

「体が弱かったから、おっかさんに迷惑をかけた」
と、小学生の頃を語るおじいさんの顔は、
まさに小学生の顔に戻り、涙を浮かべていました。

話を聞いていた私たちも、一緒に涙を流し、
彼の、幼いころの大変な思い出を共有させてもらいました。


それが、私にとっての、初めての聞き書き体験でしたが
昔の話をただ聞くのではなくて、
そこに生きてきた人の嬉しい、楽しい、哀しい、辛い
あらゆる感情、そしてその背景の時代や社会状況、
色々なものが、自分の中に一気に流れこんできて、
話し手の経験を追体験させてもらうことになりました。

それは、その人やその人が生きてきた時代、土地に
対する深い愛情を呼び起こすことでもありました。



私は石徹白でも、こういう話の聞き方をしたいし、
こういう経験をしてくれる人を一人でも増やしたいと思い、
聞き書きの会の開催を考えました。

こうして2010年から聞き書きを始めました。(その時の様子)





2010年は今年と同じく澁澤さんに、
そして2011年は里山文化研究所の清藤奈津子さんに
講師に来ていただき、聞き書きの会を開催しました。


この二回の開催では、二日間で、
・聞き書きを学び、
・実際に聞き書きに行き、
・文字起こしをし、
・ある程度までまとめてみる、
というかなりハードな内容で、参加者のみなさんにも
とても重い負担をかけてしまいました。

でも、素晴らしい作品たちが、おかげさまで
何本もでき、大きな成果がありました。

とはいえ、この形を続けるのは、
あまりにも厳しい、という現実を感じるようになり、
(内容がハード過ぎて、参加者が集まらないという
こともあり・・・)
3年目の一区切りとして、より多くの人が
興味を持って参加できるような内容にしようと、
今回の「聞き書きの会2012」を企画したのです。


特に、去年ここに引っ越してきてから、
石徹白のおじいさん、おばあさんが、古い写真を
大切にとってみえることを知ったこともあって、
それらを集めて、聞き書き集に掲載したいと思いました。

そのきっかけづくりとして
9月1日の夜に「写真から見る石徹白の暮らし」を
行いました。


この会のために、1週間くらいかけて、
昔の写真を集めて回りましたが、
その作業は、私にとってすごく楽しいものでした。

写真をお借りするときに、これはどういうときに
どこから、誰が、どういう意図で撮ったものか、
そして、その頃の思い出話なんかも
たくさん聞かせてもらいました。



一枚の写真から、たくさんの感情が溢れてきて
それを私も共有させてもらうという貴重な時間でした。

一週間しかなかったため、5名の方からしか
写真をお借りできませんでしたが、
もっともっと大勢の方にお声掛けをして、
色々と見せてもらいたかった、というのが
正直なところです。


合計80枚ほどの写真が集まり、
1日当日は60枚ほどに絞って、みなで見ることができました。
(この写真たちは、今年度中にまとめる聞き書きの冊子に
掲載しますので、そちらをお楽しみに!)


写真を提供してくださった方は
色々な思い出話をしてくださいました。

あまりにも盛り上がったため、参加してくださった
地域外の方や若い方には、思い出話がきちんと
聞えなかった場面も多く、申し訳なく思いました・・・


しかし、やはり、今までは話を聞くだけの「聞き書き」だったのが
写真という媒体があるときの話の広がり方はまた大きく、
昔のことを聞くには、とても有効なことに思いました。



かつての話を聞き、それをまとめ、
また、写真からも様々なことを知る。

私は石徹白でやってきたこの過程で
石徹白という一つの地域に対して、
そしてここで暮らしてきたたくさんの人々に対して
愛着を深くしていきました。

また、大きな言い方をすると、
自然の恩恵と厳しさの両方を受けて、
暮らしをかたちづくってきた
人の営みに深い敬意と愛情を抱くようになりました。

すべてのものがお金で買えてしまう社会で育った私とは
あらゆるものに対する考え方も感情も異なる、
まったく異次元の世界だということも認識しました。


昔はよかった、とか戻ってみたい、という気持ちよりも
今、私自身、または私が生きている今の社会が抱える
いろんな問題や、悩みを少しでも是正するヒントが
こうしたかつての暮らしの中にある、ということを
確信することでもありました。


そのために、この古い写真たちや
聞き書きの作品集らをどう活用していくか
具体的に分かっているわけでは、まだないですが、
この3年間で、私が得たものを
何かしらの形にしていきたいと思っています。



この聞き書きに出合わせてくださったのが
今回の講師であった澁澤寿一さん。


そして、石徹白で聞き書きの会ということで
公民館主催でやらせてくださったのが
公民館館長の石徹白秀也さん、そして主事の智恵美さん。


このようなことをやっていきたい、と思わせてくださったのは
石徹白に暮らしてきたおじいさん、おばあさん、みなさんです。



いろんな出会いと、きっかけがなければ、
こうして3年間続けていけなかったと思うし、
これだけの気付きをいただけなかったなぁと
とにかくあらゆることに感謝を感じています。


「聞き書き」というのは、一つのきっかけにすぎませんが
このきっかけをどのように活かしていくのかを考え
動いていきたいと思っています。


とりあえずは、出産前までには
聞き書きの冊子を発行するのを目標に
もうひと頑張りします!



この9月1,2日の二日間、
本当に本当に充実した時間を過ごさせてもらいました。
(興奮しすぎて、昨夜は珍しく目が冴えて眠れませんでした。)


参加してくださった方、
協力してくださった方、
みなさんに、心から感謝したいと思います。

ありがとうございました。


石徹白の古い写真たち3
石徹白の古い写真を集め始めて数日。

今回、5名の長老方から写真をお借りしています。

その中でももっとも古い写真を持ってみえると
思われる85歳のRさんは、姑さんのアルバムを
貸してくださいました。

彼女は旦那さんとは一回り離れていて、
そのお姑さんということは・・・今生きてみえたら
120歳前後の方だと推測されます。

そのお姑さんのアルバムということだから、
かなり古いものがありました。

一番古いと推測される写真は、そのお姑さんの
息子さん(すなわちRさんの旦那さん)が
赤ちゃんだった頃の写真。
(とはいえ、その赤ちゃんがRさんの旦那さんかどうか、
Rさんは定かではないと言われます・・・)

ということは、つまり、だいたい90年以上前の写真です。

その頃に写真を撮るというのは、貴重なことで
それが、はたまた、残っているというのも
すごいことだと思います。

きれいにアルバムに整理されて、保管してみえたのを
丸っとお借りすることができました。
「おまえはもう石徹白のもんじゃで」と言ってくださって
とても嬉しかったです。

そしてRさんをはじめ、みなさんが
大切な写真を貸してくださることに本当に感謝です。


ただ、この90年前ほど前の写真について
明確に分かる方はきっともういらっしゃらないので、
何年頃のものなのか、どういう人が映っているのか
Rさんは自信がないと、言われます。

そりゃぁ、そうですね・・・

でも、私にとっては、その頃の人物の様子、
服装、家の形状、周りの様子などなど
誰が映っているか、という以上に興味深いことが
たくさんあります。

写真をスキャンすると、小さくて見えなかったものが
拡大して大きく見えるので、より多くのものが
分かってきます。

一応、その写真をアップしてみます・・・、が小さくて
良く分からない部分が多いです。。。



9月1日は、これをスライドショーにして
大きくなって見えますので、乞うご期待!


このおうち、今、Rさんが住んでみえる家と同じだそうです。
改築は重ねているものの、基本は同じ家。

だから、Rさんのおうちの中の梁はすごく立派で
太くて真っ黒くいぶされています。


私が住んでいる家は築130年なので、
このおうちときっと同じくらい古いものだと思われます。

でも、そこに住むために、手入れをして
大切に使い続ければ、今にまでちゃんと住める家に
なるんですね。

写真だと、古い家って何だかぼろっとしているように
見えますが、何メートルも積もる雪に、100年以上
耐えうる丈夫な建物として、工夫に工夫を重ねられ
作られてきたものです。

家の下の石積みも、人の手で積み上げられたもの、
家の左側には、いろんな干し物がしてあり
下の段にはたくさんのわらじが吊るしてあります。

暮らしの臭いのするこの90年以上前の写真が
私には愛おしくてしょうがないです。


こうして貴重な写真を見ることができて
幸せです。


100年前って、先祖の数を数えたらそんなに
昔のことじゃないはずなのに、
ものすごく古いことのように感じるのは、
きっと、今の生活が、逆に異常なほどの変化を
遂げてしまったからなのかもしれません。


今の暮らしを普通だと思うんじゃなくて、
むしろ、自然の恵みを自分の等身大で活用して
生きてきた、こういう時代がまっとうなんだと
最近は実感しています。


古い写真はこの他にも何枚かあります。
9月1日の夜に、何人かの長老らによって
何か解明されるといいなと、今からわくわくです♪

あぁ、なんて楽しいお仕事よぉ~♪
石徹白の古い写真たち2
最近はめっきり、9月1,2日の聞き書きの会
準備をしております。
(9月営業のための準備もしなければならないのですが・・・)

今年で3年目を迎える聞き書きの会は
一つの区切りとして、今年度中に
これまでの作品を集めた冊子を発行する予定です。

今回の1,2日の内容も冊子に入れるので、
週末の聞き書きの会の準備は
すなわち、冊子づくりの準備でもあります。

私はこれまで2冊の本を出させてもらってきました。
タイトルのものです。(新評論より)

これらは文章をすべて自分で書かなければならないので
大変だったのですが、それ以外にも、
写真を集めたり、文章中に挿入するマップや
イラストをつくったり、校正をしたりと、
一冊の書籍をつくるのは、とっても地道な作業が
伴います。

今回は、すでに完成している聞き書き作品と、
そして週末に行う聞き書きの会の内容の記録を
入れるので、書くという仕事はないのですが、
やはり、間違いがないように、一つ一つ丁寧に
確認しながら、印刷物をつくっていくという工程は
なかなかハードです。


しかしながら、私にとって、この冊子づくりは
常にわくわくで、古い写真を集めて行くのも
ものすごく楽しいです。


今日お借りした写真の一枚を
またもやご紹介しちゃいます!



昭和20年後半の写真だそうです。

土建屋さんに働きに来ていた人たち。
女性も、これ、作業着なのですが、
かすりのハッピをまとって、何とかわいらしいこと!

石徹白は田畑の作業でもこういう格好をしていたといい、
毎年、田植えのときには
作業着を新調したのだといいます。

こんな素敵な作業着、あるでしょうか!
お出かけするときの服装のようです!


というように、私には驚きの連続です。

こうやって写真をお借りする中で、
いろんなお話を伺えるのも、醍醐味です。

あぁ、なんて、楽しいお仕事(?趣味?)なんだろうかと
今日も写真をお借りしながらにんまりしちゃいました。


明日、写真をお借りしに行くのは85歳のおばあさん。
私は彼女の何気なく話すことにいつも感銘を受けます。

今日も写真拝借のお願いに伺ったのですが、
私のお腹の大きいのを見て
彼女の出産について教えてくれました。

「前日まで畑で仕事をしとったんじゃ。
朝、陣痛が来てから、実家に歩いて戻ってな。
・・・でも自分の母親も忙しゅうてな、
みなに飯を食わせてから、みてやるからって
言ってたら、そのうちに産まれてしまったんじゃ。
陣痛が始まってから2時間くらいじゃった。
3人産んだけど、みんな軽かったわ」


私なんて、田畑の仕事もたいして重いものはしないのに
一日家のことをばたばたやっていたら
お腹が張ったり、疲れたりして横になりたくなるのに
彼女は、毎日毎日休むことなく働き続けて、
そういう暮らしの中に、ごくごく自然なものとして
お産があったのです。


明日、どんな写真に出会えるのか楽しみです。
そして、そこからどのような思い出話が
聞けるのかも・・・。



これまで、話でしか聞いたことのなかったことが
写真という、目に見える媒体を通して
また新しい発見が次々にあるのが
本当にわくわくです。


ちなみに、この聞き書き冊子ですが、
公民館から自費出版の形で出しますので
寄付金も大歓迎です。
(また後ほど、正式に寄付金を募らせていただきます!)



1,2日とも、まだまだ参加者募集中です!
たくさんのみなさまのご参加をお待ちしております!


石徹白の古い写真たち
9月1日~2日は石徹白で第3回目の
「石徹白聞き書きの会」を行います。

詳細はこちらからご覧ください。


1日(土)夜7時半からは、石徹白の
昔の写真のスライドショーを行いながら、
澁澤寿一さんにコーディネーターに
なってもらい、石徹白の長老たちに
話をしていただく、という会を行います。

私は今、そのための写真集めに奔走しています。

昭和20~40年代の写真を持っていそうな方に
当たって、写真を貸していただくとともに、
1日に語り部になっていただくお願いをして回っています。


この時代には、カメラはあまり出回っていなくて、
写真は、正直少ないです。

それに特別なときに写真撮影をされているので
普段の生活というよりも、特別な衣装を着て
特別な場所に出かけたものが多く残っています。

でも私は、普段の石徹白の暮らしの様子を見たくて、
何気なく撮られた写真をお借りしたいと思い、
アルバムから、わずかに残るそういったものを
拝借してきています。


子どもが遊んでいる風景の写真で
その背景の家の様子とか、田畑の形状だったり、
積み上げられている藁や、着ている衣装など・・・

一枚の写真から読み取れる情報は本当に多岐に渡り、
とても興味深いです。


例えば、一枚だけご紹介すると・・・



これは、石徹白の農耕の様子です。
この写真は昭和20年代後半か30年始め頃という
お話でした。

石徹白は牛ではなく、馬を農耕に使っていたそうです。
馬もとても大きいものばかり。

この写真の後ろの方を見ると、まだ圃場整備が
されていなくて、細かい田んぼがたくさんあります。

そのさらに奥の方には電柱が見えます。
電気がすでに通っていたことも垣間見ることができます。

そして男性の作業の服装も今と違います。
傘をかぶっている人、手ぬぐいのようなもの、
ちょっとおしゃれな雰囲気の帽子の人も。

馬に農耕の道具をとりつけて田起こしをしているのが
分かります。これは今はもう使われていませんが、
いくつかのおうちで、今でも大事に保管されていました。

・・・
など、細かくじっくり見ると、いろんな発見があります。

1日の夜は、コーディネータの澁澤さんに
様々な角度から、地元の長老たちに質問をしてもらって
1枚の写真から、話を深めていければと思っています。


これまでの聞き書きの会では、
もっぱら、話を聞くのが中心でしたが、
写真をこうして活用すると
また違った話が出てくるのではないかとわくわくしています。




私は、こういう昔のこととか、
古いことがとても好きで興味を抱くのですが、
ただ単に古めかしいことが好きなだけではありません。
(それもありますが・・・)

前もブログに書きましたが、
昔の暮らしの中に、
今を生きるヒントがたくさんたくさん詰まっていると思うのです。

石油がない、機械がない、あふれる食べ物がない時代に
生きてきた人たちが健在なうちに、
彼らの生きてきた時代の様子、
そのときに抱いていた気持ち、思いを
少しでも伝えてもらいたいと思っています。


石徹白は交通の便が悪いこともあって、
他の農村地域よりも、より多くのことが
いまだ残っています。

その残っているものの中で、
一番大事なのは、「心」のしなやかさではないかと
ここに住むようになってより強く感じています。

その「心」に触れることで、
私自身の心も揺れ動かされますし、
きっと多くの方が
石徹白の人と交流することで
何か感じられるのではないかと思うのです。
大げさに聞こえるかもしれませんが、
少なからず、あることだと思います。


聞き書きの会で、それにどこまで迫れるかは
分からないのですが、
ちょっとした機会の一つになればなぁと考えています。



ということで、9月1・2日の参加者を引き続き募集しています。

どうぞご参加くださいませ!



石徹白聞き書きの会 総まとめの催しを行います!
石徹白洋品店主催ではありませんが、、、
私が担当している催しについてご案内させていただきます。

私が石徹白に通い始めた2007年から、
地域のお年寄りのお話を伺ってきました。

私は彼らの話を聞くのが大好きで、
いつも2~3時間はおうちにお邪魔して
様々な話を聞かせてもらいました。


例えば、石徹白では田植えのときに
女性は着飾って作業をしたという話があります。

集落の人たちとみなで作業をするときなので、
新しくつくった「たつけ」と「ハッピ」を着て、
若い女性はピンクの帯をしたそうです。

田植えをしたら汚れちゃうのに、
田植えのときは、集落のたくさんの人が
外に出ていて、みなに見られるから
そうやって美しくしたんだといいます。

「新(あら)を着せてもらうのが、楽しみじゃった」

そう思い出話をしてくださるおばあさんの瞳の奥に、
彼女が思い出している風景を、
こんな景色だったのかなぁ、とか
こんな気持ちだったのかなぁ、とか
一緒に想像しながら話を聞くと、
タイムスリップをしたように感じてしまいます。

今のような娯楽がない時代に、
いかに楽しみをつくりだすか、というのを
自然な暮らしの中で繰り返した彼らの知恵に
学ぶことは本当にたくさんあります。

そういうことを思うと、私は一人で感動して
涙が出そうになることもあります。

そんなことを繰り返しているうちに、
昔の話をきちんと伺って、まとめていき、
多くの人に知ってもらいたい、という気持ちが大きく
なってきました。


そして、石徹白公民館の方に相談したところ、
公民館でも同じような活動をしたいと思ってみえたそうで、
「聞き書き」という形で、公民館活動をさせてもらえることに
なったのが3年前。

それから、毎年、丸2日間かけて、講師をお呼びし、
参加者を募って、「聞き書きの会」を
開催してきました。

聞き書き2010の様子



聞き書きは、まず、お話を伺い、その録音を書き起こし、
話し手の言葉を変えずに、読みやすく編集する、という
作業です。


正直、聞き書きの手法自体に、私はこだわっては
いませんが、初めてお話を伺って文章をまとめる際には
参考になると思い、「聞き書き」という方法を
取り入れてきました。

2年間で完成した作品は11作品です。

どれも、ここの暮らしぶりがとてもよく分かる
素晴らしい作品になりました。


これまでのこの聞き書きの活動を総括する催しを
今年9月1・2日(土日)に開催します。

今回も2日間用意していますが、
二日間でがっつり聞き書きを行うのではなく、
部分参加も気軽にできるような内容になっています。

特に、1日(土)の夜には、昔の写真のスライドショーを
しながら、地域の長老たちにお話を伺う、という
普段なかなかない機会になりそうです!

講師&コーディネーターには
澁澤寿一さんをお迎えします。

澁澤さんは、日本各地の地域をまわって、
地域づくりを支援してみえます。

かつてからの日本の文化や営みを大切にし、
自分たちの力で暮らしを創り出していくこと、
地域の自然資源をきちんと活用していくことに
重きを置かれて活動されています。

彼の話は示唆に富んでいると同時に、
地域への愛情にあふれていて、
私は大好きです。

石徹白のような地域、郡上のような地方に
お住まいの方には、自分たちの住む土地を
改めて見直していくためにも
ぜひお話を聞いていただければと思っています。


前置きがとっても長くなってしまいましたが、
下記、9月1,2日の概要です。


******************************
石徹白では「聞き書きの会」を実施しています。
聞き書きとは、地域の長老のお話を伺い、
お話をまとめて作品をつくります。
その過程で、その地域の特徴や、ここで暮らしてきた方の
様々な思いを学んできました。

それも今年で3年目。
今年は一つの区切りの年としたいと思います。

聞き書きについて知りたい、石徹白の昔の話を聞いてみたい、
地域づくりに興味がある、聞き書きを地域づくりに生かしてみたい、
という方はぜひご参加ください。
部分参加もOKです!

今回は講師に、日本全国で地域づくりの取り組みに
参加されている澁澤寿一氏をお迎えします。
なかなかない機会ですので、大勢の方にお越しいただければ
幸いです。

日程:9月1、2日(土・日)
会場:石徹白農村センター

概要
 1、座談会1「写真から見る石徹白の暮らし」
(石徹白の長老方+澁澤氏);9/1 19:30~21:00
 2、座談会2「石徹白聞き書きの会からの学びと
これからの地域づくり」;9/2 13:30~15:00
 3、聞き書きとは 澁澤寿一が語る;9/2 10:00~12:00

講師
澁澤寿一氏
特定非営利活動法人 樹木・環境ネットワーク協会 理事長。 
農学博士。
1952年東京生まれ。東京農業大学大学院終了。農学博士。
1980年国際協力事業団専門家としてパラグアイ国立農業
試験場に赴任。
帰国後、長崎オランダ村、循環型都市「ハウステンボス」
役員として企画、建設、運営まで携わる。
現在は、環境NPOとして日本やアジア各国の森づくり、
地域づくり、人づくりの活動を実践中。

具体的内容
1、座談会1「写真から見る石徹白の暮らし」(9/1 19:30~21:00)
石徹白の昔の写真をスライドショーで見ながら、
かつての暮らしについて、石徹白の長老方に語ってもらいます。
コーディネーターを澁澤寿一氏にお願いし、お話を引き出していただきます。

2、座談会2「石徹白聞き書きの会からの学びと
これからの地域づくり」(9/2 13:30~15:00)
聞き書きをこれまで行ってきて、まとめた作品たちや、
それによって学んだことをこれからの地域づくりに
いかに生かしていくか、ということを考えて行く場とします。
他地域で地域づくりに取り組んでいる方、
聞き書きを地域づくりに生かしていきたい方に
ぜひご参加いただきだいです。

3、聞き書きとは 澁澤寿一が語る;9/2 10:00~12:00
聞き書きの意義、聞き書きの手法について、
澁澤氏に講義をしていただきます。
(資料代500円)

主催:石徹白公民館

参加申込
k.mizuno0802@gmail.com
平野馨生里 まで
*宿泊希望の方は民宿をご案内します。

お問い合わせ
TEL: 0575-86-3360
e-mail: k.mizuno0802@gmail.com

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