上衣(さっくりのベスト・ハッピのワンピ)について
石徹白洋品店の中心的なアイテムは
パンツです。

たつけ、そしてはかまをメインに作っています。

が、石徹白に伝わる野良着には、
上衣もあり、それらを参考にして、
ベストやワンピースもお作りしています。

これは、たつけの上に着ていた
「ハッピ」を参考にしてつくったワンピースです。

基本的に直線断ちです。



直線ではありますが、着用すると、
体に合わせてきれいなラインを描きます。



ウエストベルト無しで、Aラインのワンピースに。



和服って、形は同じなのに
着る人によって表情が変わります。

着物も、同じ形で同じ柄のものでも、
着る人の雰囲気によって
ものすごい個性が出るとかねてから感じていました。

和服をベースにしたワンピもそうでした。

フリーサイズでどなたでも、
その方の体に合うものとして
馴染んでくれる。

洋服だと、どうしても服自体のデザインが
主張されるので、同じ「服」でも
和服と洋服には
大きな差異があるんだなあと実感しています。


こちらは、袖無しの「さっくり」という上衣をベースにした
ベストです。



これは紬(シルク)の藍染めの生地で一点物です。



とにかく軽くてあたたかくて、
一度まとうと、自分の皮膚の一部になったような
そんなふうに感じさせる一枚です。

紬のお着物も、いい意味で
体に纏わりつくというか、温かみがありますが、
これも同じような、
いや、もっと肌感のある生地です。

もとになった「さっくり」はこちらです。
50年近く前に、石徹白で栽培された大麻で
つくられたものです。



さっくりは、他の服と違う生地でつくられていたようです。

大麻のきれいな細い繊維ではなく、
細い繊維をとるときに出てきた
くずわたのようなものをとっておいて、
それに「からむし」を混ぜて、
紡ぎ合わせた太い糸で織られています。

一番外側に着用していたので
粗く固くて、丈夫なものが好まれていたというのも
あると思いますし、
きれいな繊維をとったあとの残った繊維も
捨てることなく利用していた、という暮らしの知恵が
見受けられ、このさっくりを眺めるたびに
愛おしさが募ります。




先人らの手仕事に思いをはせながら、
それに恥じないような、ものづくりに
取り組んで行きたいと思います。

コメントエリア

まだこの記事のコメントはありません。

コメント投稿

コメント記入欄を表示するには、下記のボタンを押してください。
※新しくブラウザが別ウィンドウで開きます。

トラックバックエリア
この記事のトラックバックURL
http://www.musublog.jp/blog/trackback.php?id=58655