身近な暮らしの中に・・・
草木染めの糸や布、
手織りの布、
オーガニックのシルクやコットン、
ヘンプやリネンの国産の布・・・

石徹白洋品店として
こだわっている素材が
いくつもあります。

これからは、
市場に多く出回っていて
手に入れやすいものでは
ないものもあります。

けれども(だからこそ?)、
これらの良さを一人でも多くの
共感してくださるだろう方に
知ってもらいたいと、
その存在を広めるためとしても
扱わせてもらっています。

どうしても、
通常、市場にあふれている
多くの衣料品よりも
価格帯は高くなってしまうし
つくれる量も限られます。

けれども、10枚安いTシャツを買っては捨てるより、
これは何年も着ていこうと思えるような服が
1枚手元にあるほうが、何だか幸せな気がしていて、
私はそういう暮らしにシフトしていきました。

そうすると、自然と、
ものを選ぶ目が厳しくなる。
それは、価格を厳しく査定するというよりも、
この素材で、このデザインで、
どのくらいの長さ、飽きずに、かつ、丁寧に
使い続けられるのだろう・・・と
自分に問いただすようになったのです。

衝動的に、
かわいいから、
安いから、
便利だから、と
ものを増やすことができなくなりました。

だから、買うときは、かなり慎重になるし、
ましてや、万が一、着られなくなった服でも、
すぐに捨てるのではなくて、
他に用途はないだろうか、とか
何年か後に着られるかもしれないから
とっておこう、とか、じっくりと考えるようになりました。


服だけじゃなくて、
特に家具なんかもそうで、
便利だからだとか、
おしゃれだから、
安いだからといって
増やすことができなくて、
結局、うちにやってくるものは
ほとんど、古道具屋さんにあるような、
いただきものの手づくり無垢材、かつ囲炉裏で
いぶされている家具たちになりました。


こういうものに囲まれていると
とっても心地が良いものです。

流行に流されることもなく、
不必要なものを増やすことなく、
安定した気持ちで日々暮らしていける。


私はそんな生活が心地良くて、
私自身がつくる服や布ものも、
こうした、ざわつくことのない、
心の定まった暮らしを整えていけるような
お手伝いができるようなものに
していきたいなと思うのです。


そう考えたときに、
石徹白洋品店としてつくるものたちが、
とてつもなく高級な工芸品的な「作品たち」ではなく
ちょっとだけ高いけど、普段使いできる
民芸品的な「プロダクト」にしたいな、という気持ちがあります。


身近な暮らしの中に民芸運動の時代に言われ始めた
「用の美」を追求するようなものを取り入れていく。

それが、便利さにも、そして心地良さにも
つながっていく、というのが、私の理想です。

先日、いつもさをり織をお願いしている
郡上大和のみずほ園さんに、
打ち合わせに行きました。


そのときも、さをり織、という作品をつくるのではなくて、
懇々と織ってくださる職人的Kさんの特徴を活かして
生活で普段使いできるプロダクトをつくる、
ということをずっと考えていました。

それが、どういうものがもっともふさわしいのか、
というのは、私自身、これからじっくり考えていくことになりそうです。

しかし、確かなことは、
Kさんを作家さんに仕立て上げるのが
私の役割ではなくて、
障害を持っていようとそうでなかろうと、
彼が生きがいを持ってやってくださる仕事によって
市場で受け入れられるプロダクトを生みだす、ということが
私のやるべきこと、やりたいことなのです。

迷うこと、悩むことは
いくらでもあって
平坦な道ではないのですが、
Kさんがもくもくと機に向かって
きちきちと織ってみえる姿を見ると、
それを後押ししていくことに
私自身やりがいを感じるのです。


石徹白洋品店として
このさをり織のものたちを
「用の美」にふさわしいプロダクトとして
社会に提示していく、ということを
試行錯誤しながら
挑戦していきたいと思います。 
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