【工房建築】「ぬき」、そして壁張り
家を建てるということ自体、
私には、未知な体験です。

家がどのようにして
組み立てられていくのか、というのを
いつも興味深く、隣の建築現場の進捗を
眺めています。

今は、壁張りの作業が進められています。

が、壁というのは、ただ、壁板を張れば
いいわけではないのですね。

壁の強度を上げるために(?)、
柱と柱を垂直に通る「ぬき」という
部材を組み込んでいきます。



しかも、この「ぬき」が通る柱の部分は、
手で削られていて、
かなり綿密につくられていくので
時間と手間がかかる作業です。

ぬきの上には、小さな木が挟まれていて、
これでしっかりと固定されています。

こうして、必要なぬきがほぼすべて入れられました。



この後、防水シートがかぶせられ、


その上から、ヒノキ、またはさわらの
板が張られていきます。


壁なんて、パンパンパンとビスで止めてしまえば
完了なんだろう、って思っていましたが、
この「ぬき」を入れる作業を見ていると
そういうわけにもいかないんだなぁと思います。

今は何もかも効率化された家づくり。

木材の伐採、製材、乾燥、プレカット、
そして組み立て・・・
本当にものすごいシステムが完成されています。

職人さんの手を使う作業も極限まで省かれ、
時間を惜しんで建てられます。

それはそれですごいこと。
需要があるから供給がある。

しかし、その中で大切なことが
見失われてしまっているともいえるのではないでしょうか。

今、社会で一般的である価値観でもって、
それを取り戻すことができるとは
とうてい思えないけれど、
私自身としては、
失いかけていた家をつくるという行為の中にある
大切な部分を
取り戻させてもらえるような、
そんな思いを抱きつつあります。

簡単に言葉に出来なくて、
文章で表現できるには、
まだ時間がかかりそうです。

工房が完成し、それをじっくりと使っていく中で
その「大切にしていきたい価値観」というのが
もっともっとじんわりと、分かっていくのではないかと
思っています。




石徹白はめっきり冬めいてきました。
いつ初雪が降るだろうか・・・と
遠くの山を眺めています。

銚子ヶ峰は、今日、うっすら雪化粧をしていたそうです。

冬支度に勤しむ日々です。